【間取りはどうする?】間取りの考え方 Part1
本日は、間取りの考え方について記事を書かせていただきます。
「間取り」という言葉は、皆さん聞きなじみがある言葉だと思いますが、簡単に言えばお部屋の配置のことです。
とはいえ、間取りを考える時は設計士に流されてしまうことが多いと思います。
優秀な設計士であれば、お任せすすべきであると思いますが、粗悪な設計士や若手の営業マンが間取りを配置する場合は、お客様が気付かなければ後々トラブルになり兼ねません。
なので、皆さんが疑問を持った時、質問等がしやくなるように、今回は間取りの初歩の初歩について書いていきます。
少しでも知っていることで、質問がしやすく、真偽の判断も着きやすくなるためのきじとなっております。
もちろん、一級建築士である私自身の個人的な見解を交えた内容も記載させて頂きます。
●居室は原則、南側に配置
まず、家の中で大部分を占めるのが「居室」です。
居室とは、日常的に人が常駐する空間のことを指します。
この居室は、建築基準法にもしっかりとした定義があります。
住宅であれば主にLDK・子供部屋が居室として挙げられます。
補足ではありますが、映画館やスーパーなども居室に分類されることもあります。
では、居室であるLDKや子供部屋はどこに配置するべきであるか・・・
あくまでも原則ではありますが、南側に配置します。
理由として、南側の日当たりが一番よく、採光や通風を取り入れやすいためです。
但し、例外として隣地に公園や広場などがあり、採光や通風が取り入れすい環境である場合は南側以外に配置することもあります。
また、基本的には日本の風土と気候に合わせた建築基準法となっているため、採光に関する法律が定められています。
よって、金額を抑えるために、無窓居室(窓のない居室)にすることが住宅の場合には難しいです。
したがって、居室は日当たりの良い南側に配置することがセオリーとなっています。
もしこのセオリーから外れた設計をしている場合、「なんでこの配置にしたのか?」という質問をしてみると、良いかもしれません。
余談ですが、私であれば、居室は南側に配置しながら、窓の大きさを最小限の大きさや数に抑えて、法的基準をクリアするようにします。
●水回りは極力固める
水回りは、主にトイレ・洗面脱衣室・浴室のことを指します。
大きな居室に比べて、必要なスペースが小さいため空いた部分に配置されることが多いです。
しかしながら、本当に無知な方が設計すると後々、漏水が起こる可能性があるので、ここは特にご注意して頂きたいと思います。
「水回りを極力固める」と言いましたが、1フロアだけが固まっているだけではいけません。
例を挙げますと、2階建ての住宅で、1階に浴室・洗面脱衣室・トイレを配置する場合、2階にはトイレが設置されます。
2階のトイレと1階の水回りの位置が重なっていない場合、PS(パイプスペース)という排水管のスペースが必要となります。
もし、PS(パイプスペース)がない場合は、確実に設計した方に質問した方がいいと思います。
余談ですが、イオンモールやららぽーとなどの商業施設に関しても、上階と下階のトイレの位置が同じ場合が多いです。
理由としては、上記のようなPS(パイプスペース)を削減するためなどが挙げられます。
●バルコニーや屋上庭園は不要
個人的には、バルコニーや屋上庭園は不要であると思っております。
理由としては、バルコニーや屋上庭園には定期的なメンテナンスが必要となります。
さらに、外壁や屋根と同様、外気に触れる箇所であり、汚染や劣化がしやすい部分でもあります。
昨今、外で干すより部屋干しを行う家庭も増えてきています。
そう言ったことや、漏水の危険性やメンテナンス費用のデメリットを考えるとあまり必要性が感じられません。
以上、「間取りの考え方 Part1」となります。
次回は、「間取りの考え方 Part2」の記事を載せていきます。
最後までご精読頂き、ありがとうございました。
【建売?注文?】どんな違いがあるの?
巷でよく耳にする「建売住宅」と「注文住宅」ですが、一体どんな違いがあるのか・・・・
一級建築士である私が個人的な見解で解説します。
人によって意見が異なると思いますので、一つの参考材料としてください。
●建売住宅と注文住宅の簡単な違いについて
まず、それぞれの簡単な説明として・・・
建売住宅:建ててから売り出す住宅
注文住宅:注文を請けてから建てる住宅
と文字通りの意味となります。
また、メリット・デメリットについては・・・
・建売住宅
メリット:比較的すぐ住める、価格が安い
デメリット:間取りやデザインを決められない
・注文住宅
メリット:間取りやデザインを決めやすい
デメリット:すぐ住めない、価格が高い
などの違いがあります。
とはいえ、上記に明記されていることは、どの情報サイトや住宅販売サイトなどに記載されているものです。
ここからは、序盤にも明記させて頂いた、私の個人的な見解を記載させていただきます。
●ぶっちゃけ「建売と注文」ってどっちがいいの?
私自身、一時期ハウスメーカーに勤めていた経歴があり、様々なハウスメーカーのモデルハウスなどを見学させて頂きました。
ぶっちゃけ・・・・注文住宅がいいと思いました。
私が勤めていたハウスメーカーは建売住宅をメインでした。
その経験の中でも、建売住宅にはデメリットが大きすぎると考えています。
その大きすぎるデメリットとは・・・
・注文に比べて、品質が低い傾向にある
・長期的な維持が難しい
・防犯性、耐震性などが考慮されていない
・注文に比べて、スペースにゆとりがない
・引越しの際に、搬入出来ない家具がいくつかある
・デザインや間取りが単調
・施工ミスが生じやすい
・外構の安っぽくなってしまう傾向がある
と、ざっと記載するだけでもこれだけのデメリットがあります。
もちろん、上記以外にもデメリットが多くあると思いますが、個人的には上記の内容が大きなデメリットの概要であると考えます。
この上記の中でも、特に重視すべきであると思われる、
・注文に比べて、品質が低い傾向にある
・防犯性、耐震性などが考慮されていない
・施工ミスが生じやすい
・引越しの際に、搬入出来ない家具がいくつかある
について、詳細な説明をいたします。
●注文に比べて、品質が低い傾向にある
(・長期的な維持が難しい)
「建売住宅」はハウスメーカーが先行で建てて売るスタンスであるため、始めからお客様がいるわけではないので、ハウスメーカー考えが全面的に押し出された家になっています。
また、価格を抑えるためなるべく同じ間取り・同じようなデザイン・グレードの低い仕様などにする傾向があります。
したがって、低価格・低品質の家が完成しやすくなります。
技術者の目線より、低品質になりやすい原因としては、屋根材・外壁材・断熱材・窓などの主に外部に面している材料の品質が低いことが挙げられます。
建売住宅では、
屋根材:スレート屋根
外壁材:サイディング
断熱材:グラスウール
窓:ペアガラス
などが主に使われていることが多いです。
屋根材や外壁材は一部の注文住宅にも使用されることはありますが、基本的には耐久性に期待できる材料ではないため、強い衝撃などにより割れや破損のおそれが高くなります。
断熱材もグラスウールを使用する注文住宅メーカーが一部ありますが、湿気に少しでも触れてしまうと、断熱性が著しく落ちてしまいます。
特に窓については、各ハウスメーカーが断熱性・防音性を向上させた窓などを発表していますが、建売住宅の窓は基本的にそのような考慮は一ミリたりともありません。
さらに、窓は大きさによって、熱の逃げやすさが変わってきます。
イメージが着きやすいと思いますが、窓が大きいと熱が逃げやすくなります。
当たり前のことではあるかもしれませんが、そんなことまで考慮できていないハウスメーカーや工務店は未だに存在します。
私が個人的に品質を高めていくとすれば、
屋根材:瓦葺き
外壁材:コンクリート系の外壁材
断熱材:スタイロフォーム
窓:高気密・高断熱
といたします。
もちろん、高品質になるためそれなりの価格帯になるため、現実的ではありません。
予算によっては、変更するかもしれませんが、私が特に重要視するとしたら断熱材と窓はお金をかけてもいいと思います。
また、窓に関しては、法律上の規定を満たしていれば、必要最低限の数・大きさにすることで効率的なコストカットが実現できます。
デザインのことを考慮することも重要ですが、快適に住むためには品質は捨てきれない重要な項目となります。
・防犯性、耐震性などが考慮されていない
一部の建売住宅に限定されますが、1階に泥棒が入れるような窓があります。
具体的には、幅・高さ共に35センチ以上の窓がある場合です。ただし、面格子やシャッターなどの防犯設備が整っている場合は除きます。
理由として、幅・高さ共に35センチ以上の窓には、人の肩が入り侵入される恐れがあるためです。
耐震性については、こちらで他サイトに明確に記載されていますので、簡単にご説明します。
建売住宅の耐震性は、建築基準法に定められている最低基準になっていることが多いです。しかし、建築基準法の耐震性に関する基準は、今まで発生した大きな地震には軒並み対応していません。
したがって、建売住宅は耐震性が低くなる傾向にあります。
・施工ミスが生じやすい
建築業を営む上で、施工ミスは恥であると私は考えています。
施工ミスとは、施工者の怠慢で起こることであると思いますし、私自身、施工ミスをまじかに見てきた中で信じられないことが起こったりします。
建売住宅には、そのような施工ミスが引き起こされやすいと考えています。
理由としては、従業員の就労環境が悪く、離職者が多く、まともな技術者が育たないためです。
ハウスメーカーは、基本的にブラック企業ですが、建売住宅のメーカーは薄利多売の傾向であるため多くの家を売らなければなりません。
更に、住宅に対する設計や施工の検討期間も短いためミスが生じやすくなっております。
したがって、頭を使えないかつ未熟な技術者による家造りとなってしまい、施工ミスが生じやすくなってしまいます。
後日にはなりますが、施工ミスの事例やどういった所を見ることで施工ミスのない家に住めるかについての記事を書いていきます。
・引越しの際に、搬入出来ない家具がいくつかある
こちらは皆さんに注意してご確認して頂きたい部分ですが、建売住宅には、搬入出来ない家具がある場合があります。
特に、ダブルベッドなどの大きなものの搬入が出来ずにトラブルになる可能性があります。
主な理由としては、階段の間口(幅)が狭い・2階の窓が小さすぎて搬入できないなどがあります。
引越し業者などによっては、ユニック車による小型クレーンで吊るなどの措置とる場合もありますが、追加費用が掛ってくる可能性があるので確認しておく必要性があると思います。
以上、私の見解から「建売住宅」と「注文住宅」の違いを記載してきました。
念のためですが、あくまでも私の見解です。
正直、いろいろな方によって見解も異なりますし、私の見解が間違っているとおっしゃる方もいらっしゃると思います。
とはいえ、自分の考えを押し付けるような営業マンや設計士には近づかないことをお薦めいたします。
読者の皆さんには、少しでもいい建物に住んでいただけることを祈っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【モデルハウスには要注意!?】住宅展示場へ行く前にチェック!!
コロナの影響で「ステイホーム」や「リモートワーク」などが普及している世の中になっています。
そのような状況で、近所にある住宅展示場やモデルハウスを見学する際の注意点を一級建築士の視点からお伝えいたします。
始めて住宅展示場へ行かれる方や空いた時間にフラッと行かれる方は是非ご参考にしてください。
●住宅展示場やモデルハウスに展示されている住宅について
住宅には、大きく分けて注文住宅と建売住宅があります。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、概要については下記の通りです。
注文住宅:主にオーダーメイドすることが可能で土地から探すことが一般的である。
(メーカーによっては、セミオーダーの場合もある。)
建売住宅:初めから建てられている家を購入することが可能である。
本タイトルにもある住宅展示場は、主に注文住宅のモデルハウスが展示されています。
一方、建売住宅にはモデルハウスという概念が存在しないため、「ハウスメーカー」や「不動産屋」に直接連絡することで実際に売り出されている物件を見学することが可能です。
●見学する際の注意点!!
1.時間に余裕を持つこと!!
初めて住宅展示場へ行かれる際、必ず時間に余裕を持つようにしてください。
住宅展示場に行かれた方はご存知かと思いますが、いくつかの会社(ハウスメーカー)のモデルハウスが所狭しと並んでいます。
その内、どれかのモデルハウスへ入ってしまうと約0.5~2時間拘束されてしまうおそれがあります。
もちろん、個人差はございますが、ハウスメーカーは「家を売ってなんぼ」という精神であるため営業のかけ方がハンパではありません。
私自身もフラッと軽い気持ち住宅展示場行ったことありますが、約3時間ほど拘束されました。
そのため、住宅展示場に行かれる際は必ず時間に余裕があるときに行かれることをお薦めします。
2.モデルハウスは住むための家ではない!!
モデルハウスは、ハウスメーカーが良く見せるために「最高級・最高品質」の家であるため、住むための家ではありません。
したがって、モデルハウスをイメージして家づくり始めてしまうと必ずギャップが生まれてしまうため注意が必要です。
3.営業マンとの相性は重要!!
今後、家造りを進めていく中で、営業マンとの相性はとても重要です。
住宅の購入を検討する上で、金額やデザインなどは重要視される方が多くいらっしゃると思いますが、それと同じぐらい重要なことだと私は考えます。
では、良い営業マンについて、いくつか例を挙げると・・・
・自社の製品を詳細な部分まで知っている
・聞かれた質問には全て明確な回答が返ってくる
・設計や現場監督の経験がある
・ハキハキ話す
・自社で建築可能な条件や間取りなどを明確に説明できる
・モデルハウスの良い所だけでなく、悪い所も進んで説明する
などが一例となります。
業界を理解している私から見た視点であるため、参考程度としてください。
但し、直感でこの営業マンは嫌だと感じたらすぐに話を切り上げて逃げてください。
純粋に時間が無駄になってしまいます。
以上が住宅展示場やモデルハウスでの注意点となります。
今回はあまり深入りした知識というよりは浅めの情報となります。
今後は、深入りした知識の記事も書いていくつもりなのでよろしくお願いいたします。